神戸市の追谷墓園にて、明治時代のお墓を職人の手磨きによるクリーニングできれいに。
こんにちは。弊社のブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。神戸・兵庫一円で、お墓のお仕事をさせていただいていおります池尻石材工業の池尻です。
今回ご紹介させていただきますのは、神戸市中央区の追谷墓園での、お墓のクリーニング事例です。
こちらがクリーニング前のお墓の様子です。石はおそらく地元で採れた本御影石と思われます。当時のオリジナルデザインでしょうか、あまり見かけない形をしています。
お客様が長年修理などを依頼されてきた石材店さんが廃業されてしまい、「お墓をきれいにしたいけれど、どこか良い石屋さんを知らないかしら・・・」と知り合いにご相談されたところ、弊社をご紹介してくださり、この度クリーニングをさせていただくことになりました。お声かけくださいまして、ありがとうございます。
竿石の側面に刻まれた建立年は明治38年、西暦になおすと1905年で、百年以上が経過したお墓です。お線香立てはステンレス製のものが据えられ、手をかけて長い間大切に守ってこられた様子が伺えますが、経年により黒ずんだ汚れが付着し、通常のお掃除では取れなくなっています。全体的に茶色っぽくなっていますが、これは水垢や樹液によるものと思われます。
文字の部分は色を入れているわけではなく、汚れでこのように黒くなっています。
今回は高圧洗浄によるクリーニングではなく、専門の職人が手作業でお墓の汚れを落としていきました。洗浄剤を汚れの種類や石の状態によって使い分け、墓石を傷めないように丁寧に洗浄します。薬剤を塗布⇒磨き⇒水で流い流す・・・という工程も何回も繰り返し、汚れを除去していきます。
クリーニングが完了しました。水垂の痕も消え、汚れがすっかり落ちて、石本来の色が蘇りました。まるで新しく立て直したかのようですね。
家紋に付着した汚れもきれいに落ちました。
文字の中に入り込んだ汚れも、このとおりきれいになりました。
水が入る花立や水鉢は特に水垢が付きやすい部分です。
台座の石や花立の裏に着いた頑固な汚れも落ち、スッキリとしました。
クリーニング後のお墓をご覧になって、お客様は「とてもキレイになった」とビックリして喜んでくださったのですが、後日談がありまして・・・・・
実はこれまで文字の中の汚れで文字が読み易かったのですが、あまりにキレイになったので、逆に文字が読みづらくなってしまった・・・ということでした。(^-^;
ということで、後日、文字の色入れのご依頼をいただきました。
長い間守って来られたご先祖様のお墓を、これからも末永く大切にお参りして頂ければ幸いです。この度はご用命くださいまして誠にありがとうございました。また何かございましたら、いつでもお気軽にお声かけください。