宝塚市の景観重要建造物「正司邸」の石垣積み直し工事を行いました。(前編)
こんにちは。弊社のブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます。神戸・兵庫一円で、お墓のお仕事をさせていただいていおります池尻石材工業の池尻です。
今回ご紹介させていただきますのは、宝塚市にあります国登録有形文化財「正司邸」の石垣積み直し工事の様子です。
工事前の様子
こちらが工事前の様子です。国登録有形文化財である「正司邸」の石垣です。自然石を加工せずにそのまま積み上げて行く「野面積み(のづらづみ)」の手法で作られています。
正司邸は宝塚市の景観重要建造物にも指定されています。
こちらの写真だとよく分かりますが、長年の間に石垣の上部が道路側に押し出されて傾いています。
石垣の上が土がむき出しの状態なので、しみ込んだ雨水や土砂の影響で長年の間に傾きが生じていると考えられます。
文化財に関する活動を行っているNPO法人のメンバーの知り合からご相談をいただき、この度工、事をさせていただくことになりました。
工事の様子
いよいよ修復工事が始まりました。
まず、重機で石垣の上の土の部分を除けていきます。
石を元通りに積み直す際に作業しやすいように、予めひとつひとうの石には番号の付いたシールを貼っています。
工事の手順を簡単に説明しますと、道路側に傾いている上の方に積まれた石をいったん除けて、石の間に溜まった余計な土を除去し、石をまた内側に押し込む形で元の位置に積み直していきます。
石をひとつひとつ慎重に下ろしていきます。
石と石がズレないように、ステンレス製の鎹(かすがい)を打ちこんで固定します。
「石を降ろす→積み直し→固定」という作業を、3~5m間隔で少しずつ繰り返していきます。一度に広範囲の石を外してしまうと、上から崩れてくる恐れがあるためです。